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続!コイルの魔法 ~昇圧~

はじめに

こんにちは。ぐぅです。
先日はコイルを使用した昇圧回路の原理について勉強しましたが、その中でさらに疑問が生まれました。
それは「昇圧回路を使って電圧はどこまで高くできるのだろう?」というものです。
低い入力電圧をどこまでも高くすることができたら、なんだかお得な気がしませんか?

そこで今回は、「電圧を高くするとはどういうことか」という点に着目し、『昇圧の限界』について考えてみたいと思います。

解説

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電圧を高くするということを以下の例で考えてみます。

「コップに入った水(電気)をストロー(回路)を使って吸い上げることで、水の水位(電圧)を上昇させる。」

この場合、どうすれば水位をより高くすることができるでしょうか?

水の量が一定なら、ストローをできるだけ細くして吸い上げる水の量を少なくすればするほど、
高い位置まで水を吸い上げることができますね。

ということは …
ストローを無限に細く長くすれば水はどこまで高く吸い上げられる。
つまり、昇圧に限界はないってこと!?

いいえ。残念ながら昇圧には限界があります。
この例で考えると、ストローを非常に細く長~くしようとするとどんな問題が起こるでしょうか ?

細く長くすることでストローの強度が下がり、ポキッと折れてしまいませんか?

ではもっと丈夫な材料でストローを作ればいいのでは?と思うかもしれませんが、どんな材料にも強度の限界はあります。

この材料の強度の限界とは、デバイスの「絶対最大定格」のことです!
どんなに高い電圧まで昇圧できたとしても絶対最大定格を超えるとデバイスは壊れてしまうので、元も子もありません。

つまり、昇圧の限界を作っているのは昇圧回路ではなく、昇圧回路から電圧を供給されているデバイス等だということです。

実際の回路で考える

今回の例で取り上げた「ストローを細くして流れる水の量を減らす」というのは、実際の回路では IC 電源のスイッチングを早くして1回に流れる電気の量を少なくすることに対応しています。

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まとめ

昇圧回路を使った昇圧に関しては理論上、限界はない。
しかし昇圧回路から電圧を供給されているデバイスに、その絶対最大定格を超えるほどの高電圧をかけるとデバイスが故障してしまう。
よって実質はデバイスの絶対定格が昇圧の限界を決めている。

ぐぅのつぶやき

昇圧の限界はないのに、デバイスが耐えられないなんて、ちょっぴり切ないなぁ。

おまけ

今回紹介した昇圧方法は電源 IC のスイッチングを利用したものでしたが、これとは別に「トランス(変圧器)」を使った昇圧方法もあります。
トランスとは導線をぐるぐる巻いた鉄芯を 2 つ持った構造をしており、 2 つの鉄芯の導線の巻き数の比が昇圧比になります。
興味がある方はぜひ調べてみてください (^^) 。


コイルの魔法 ~昇圧~シリーズ

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